研究紹介

防災・安全教育を、知識の伝達から状況に応じた意思決定と行動へつなぎます。心理・認知・行動と情報技術・システムを結ぶ、相互に関連した研究課題です。

研究焦点
防災・安全教育
研究過程
分析・設計・開発・実践・評価
研究者
259G8836 小林 弘幸
研究ナラティブ

研究の経路

人間要因を捉える理論が、災害・社会・技術の文脈を経て、検証可能な教育実践へ進む過程をたどります。

01人間要因

心理・認知・行動

02状況と情報

リスク・災害情報・制約

03教育システム

設計・実践・訓練

04評価

意思決定・改善・社会への浸透

文脈から行動までの研究設計図を描いたノート
テーマ1・文脈と目標設定を結ぶ設計ノート
研究ノートの上に置いたスマートグラス
テーマ2・状況内省察と知識ワークフロー
手に持った携帯型防災行動カード
テーマ3・多言語で初動を支える行動カード
RESEARCH QUESTIONS / 研究課題

防災・安全教育を前進させる五つの問い

  1. 01

    防災・安全教育を支える教育システムの考え方を、どのように明確化するか。

  2. 02

    システム開発と教育実践の方法論を、どのように構築するか。

  3. 03

    AIやXRを、教育目的と利用条件に応じてどのように適用・拡張するか。

  4. 04

    心理・認知・行動を、どのようにモデル化・観測・解釈するか。

  5. 05

    学習と行動をどのように評価し、社会への浸透条件を検討するか。

ACTION OUTPUT / 実践への出力

ActionCard

研究から得た示唆を、言語、利用環境、通信条件を越えて明確な行動を支える共有可能なリソースへ変換します。

文脈に応じたカードを準備する行動と根拠を振り返る
9:41● )))
ActionCard
設計の要点

次の行動を見える形にする

焦点

一つの行動と担当者を決めます。

  1. 地域の文脈を確認する
  2. 情報源を検証する
  3. 判断を共有する
ホーム資料省察•••その他
LIVE PREVIEW / 操作プレビュー

研究の示唆を、利用できる行動へつなぐ。

現在のActionCardを別画面で開くか、設計と導入のプロセスをご覧ください。

ActionCardを開く 実践・ツールを見る
はじめに

防災・安全教育を、知識から行動へ

本研究ポートフォリオは、自然災害と人的災害に加え、社会の不安定さや急速な技術変化の中で、安全に関する情報を状況に応じた意思決定へ移す学習環境を検討します。

ゴールベースシナリオ(GBS)、自己調整学習(SRL)、認知負荷の知見を基盤とし、心理・認知・行動、災害情報、情報技術・システムを接続します。次の3テーマを通じ、設計、教育実践、評価を往復します。

テーマ 01

心理・認知・行動と「文脈ギャップ」

対象と課題

ストーリー中心型カリキュラム(SCC)では、シナリオ上の役割と学習者自身の状況にずれが生じる場合があります。防災・安全教育では、このずれがリスク情報の解釈、自己効力感、意思決定、行動へどう影響するかを検討する必要があります。

アプローチとデザイン研究

GBSとSRLの予見、遂行、自己省察を用い、学習前後のブリッジング活動とメタ認知プロンプトを設計候補として検討します。デザイン研究(DBR)により、人間要因のモデル化・観測・解釈と、教育実践の改善を反復的に結びます。

テーマ 02

災害情報と追跡可能な知識ワークフロー

課題と目的

災害情報や研究資料にAI生成物を無確認で混在させると、出典、採用理由、判断の位置付けを後から検証しにくくなります。本テーマは、AI支援の利便性と、情報リテラシー、情報倫理、セキュリティ、人による確認を分けて扱う設計原則を検討します。

システム構成と状況内省察

文献情報、研究ノート、変更履歴を結び、候補情報の隔離、出典確認、人によるレビュー、正式な記録化までを段階的に残すワークフローを設計します。

スマートグラスやXRは、判断理由を状況内で記録したり、疑似体験を支えたりする可能性があります。ただし、音声認識の誤り、注意逸脱、プライバシー、アクセシビリティを含め、導入前の評価が必要です。

テーマ 03

モバイルファーストの防災・安全ActionCard

設計背景:言語・通信・時間の制約

ActionCardは、多言語環境や通信が不安定な状況で、災害情報の確認と初動の意思決定を支えるデジタルジョブエイドです。現在の画面と機能は設計・評価の対象であり、掲載する応用例は実証済みの効果を示すものではありません。

教育工学に基づく設計と評価

認知負荷を抑えた表示、オフライン利用、多言語表示、地域や組織に応じた設定、避難訓練後の事後検討を設計候補として扱います。機能の動作、意思決定への影響、アクセシビリティ、情報倫理、セキュリティ、社会への浸透条件を段階的に評価します。

ActionCardの実践とツールを見る
主要文献

主要文献

  1. Anderson, T., & Shattuck, J. (2012). Design-based research: A decade of progress in education research? Educational Researcher, 41(1), 16–25. DOI
  2. Schank, R. C., Fano, A., Bell, B., & Jona, M. (1994). The design of goal-based scenarios. The Journal of the Learning Sciences, 3(4), 305–345. DOI
  3. Zimmerman, B. J. (2002). Becoming a self-regulated learner: An overview. Theory Into Practice, 41(2), 64–70. DOI
  4. 鈴木克明・根本淳子(2013)教育改善と研究実績の両立を目指して:デザイン研究論文を書こう[総説].医療職の能力開発,2(1), 45–53.
  5. 竹岡篤永・根本淳子・喜多敏博・鈴木克明(2011)学習者の現実の文脈とシナリオ文脈の「ずれ」を見つけ出すために.日本教育メディア学会第18回年次大会発表論文集, 163–164.
大きな地域リスク地図を囲んで検討する参加者
地域リスクマッピング・ワークショップ。

研究から実践・評価へ進む

ActionCardの設計、運用プロセス、評価対象、期待効果と確認済み成果の境界を確認できます。

実践・ツール